第1部 刑法 過去問一覧
| 1 問 | 2 問 | |
| 平成19年 | 次の各場合における甲の罪責について論ぜよ(各場合は独立したものとする)。 (1) 甲が,自己の所有する建物をAにいったん売却して代金を受領した後,Aへの所有権移転登記が未了の間に,Bに同建物をより高値で売却し,Bへの所有権移転登記をした場合 (2) 甲が,建物を購入する資金としてAから預かっていた現金を,自己の借金の返済のために費消した場合 |
構成要件該当性と違法性の関係について述べた上,恐喝罪(刑法249条1項)の構成要件該当性が認められるのに,違法性が否定される場合について論ぜよ。 |
| 平成18年 | 甲は,強盗の目的でA方に押し入り,Aに包丁を突き付けて「金を出せ。」などと脅したが,Aがひるまず頑強に抵抗したため,結局何も奪えずに玄関を出て逃走しようとしたところ,Aが後ろから追い掛けてきたため,Aを殺害してでも逮捕を免れようと考え,Aの身体に包丁を突き刺し,Aを殺害して逃走した。この場合の甲の刑事責任について論ぜよ(特別法違反の点は除く)。 | 共同正犯関係にある者が,他の共犯者の実行行為により生じた結果についても責任を負う根拠について述べた上,共同正犯関係からの離脱について論ぜよ。 |
| 平成17年 | 甲は,深夜,勤務先からの帰宅途中,人通りのない路上で見知らぬ男性Aが老人Bにナイフを向けているのを目撃した。実際は,AはBに自慢のナイフを見せていたに過ぎなかったが,甲は,Bが強盗に遭っているものと思い込み,Bを助けようと考え,2人の方に近づいていった。 次の各場合における甲の刑事責任を論ぜよ。 (1)甲は,とっさにその場に落ちていた木の棒をそれと知りながら拾い,これをAの胸部に突き当て,AをBから引き離そうとしたところ,その棒の先端に鋭利な金属片が付いていたため,その金属片がAの胸に突き刺さり,Aは失血死した。甲は,行為当時,木の棒の先端に金属片が付いていることには気付いていなかった。 (2)甲は,とっさにその場に落ちていた鉄パイプをそれと知りながら拾い,これをAの頭部目掛けて力任せに打ち下ろし,その結果,Aは脳挫傷で死亡した。 |
親族等の間の犯罪に関する特例(刑法244条,257条)について論ぜよ。 |
| 平成16年 | 甲と乙は,ある建物の屋上から,荷物を投下する作業をすることとなり,互いに通行人に注意しながら,大きい荷物は二人で力を合わせて投下し,小さい荷物は各人が投下するということで話がまとまり,その手はずどおりに作業を行った。ところが甲及び乙は,荷物を投下することに熱中し,通行人のAが気付かないまま作業を続行したため,Aに荷物を衝突させ,傷害を負わせてしまった。Aに衝突した荷物が二人で投下した大きい荷物か,各人で投下した小さい荷物かは明らかでない。 甲及び乙の刑事責任について論ぜよ。 |
不法領得の意思について論ぜよ。 |
| 平成15年 | 甲は,同僚のAが会社の保管金を着服したことを知り,「着服の事実を会社に知らされたくなかったら金を出せ。」と言ってAを脅したところ,怖くなったAは,これに応じようとしたが,手持の現金がなかったので,「家に帰らないと金がない。」と述べた。そこで,甲は,A宅に赴こうとしたが,Aの家族と面識があったことを思い出して,知人の乙を呼んで事情を話し,分け前を払うのでAに同行して現金を受け取ってくるよう頼んだ。乙は,これを了解し,Aと共にAの自宅へ行き,現金10万円を受け取ったが,これを独り占めにしようと思い立ち,その現金を甲に渡さずに持ち逃げした。 甲及び乙の刑事責任について論ぜよ(被害者をAとするものに限る)。 |
現住建造物等放火罪の保護法益,実行の着手時期及び既遂時期について説明せよ。 |
| 平成14年 | 甲は,友人の質屋乙と,乙が顧客Aから業務上預かり保管していた絵皿(時価100万円相当)を甲所有のものであると偽ってAに無断でBに売却しようと相談した。甲と乙は,Bに対し,そのように述べてBをだましてその絵皿を100万円で売却し,Bから現金100万円を受け取った。甲及び乙の刑事責任について論ぜよ。 | 刑法の機能について論ぜよ。 |
| 平成13年 | 甲と乙は,強盗を共謀し,包丁を準備して共に深夜A方に侵入し,乙は,Aに包丁を突きつけて「金を出せ。」と脅迫し,金品の強奪を遂げた。甲は,Aの子が寝ている様子を見て自分の子供を思い出し,後悔して犯行を思いとどまり,その旨乙に告げたところ,乙もこれを了解したので,その場を立ち去り家に帰った。次の場合における甲の刑事責任について論ぜよ(ただし,住居侵入,銃砲刀剣類所持等取締法違反の点は除く。)。 (1)甲が犯行を思いとどまり,その場を立ち去ったのが,乙の脅迫行為開始前の場合 (2)甲が犯行を思いとどまり,その場を立ち去ったのが,乙の脅迫行為開始後の場合→参考答案 |
窃盗罪における実行の着手時期と既遂時期について説明せよ。 |
| 平成12年 | 甲は、乙が所有するA建物(住居としては使用されておらず空家状態である。)を壊してしまいたいと考え、乙に無断で、乙代理人甲名義の工事発注書を作成し、建物取壊業者丙に交付した。その後,丙がA建物を取り壊さないことから,甲は,A建物を燃やしてしまおうと考え,A建物に独立して隣接するB物置(乙所有)に火をつけ,その火をA建物に燃え移らせようとして,B物置にガソリンをまいて火を放った。放火当時A建物内には無断侵入者丁がおり,甲は,そのことを知っていたが,火事と分かれば丁はA建物から飛び出すだろうと考えていた。ところが,その後,雨が降り始めたため,火はA建物には燃え移らずにB物件を半焼させただけで消えてしまった。 甲の刑事責任を論ぜよ。→参考答案 |
原因において自由な行為について論ぜよ。 |
| 平成11年 | 甲は、自動車を運転して通勤の途中、前方を自転車に乗って進行しているAを発見した。その際、甲は、道路が狭いので接触するかもしれないと思ったが、自分の運転技術ならば十分避けられると考えて追い越そうとしたところ、結局避けきれず接触し、自転車を転倒させてAに重傷を負わせた。甲は、Aを病院に運んだものの、逮捕されることを恐れて逃走し、さらに、犯罪の発覚を防ぐため、友人の乙に事情を明かして、自動車の破損部分を修理してもらった。その後、Aは、医師の輸血ミスにより死亡した。甲の刑事責任について論ぜよ(ただし、道路交通法違反の点は除く)。 | 刑法236条2項の犯罪の構成要件について、具体例を挙げて論ぜよ。→参考答案 |