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平成19年度裁判所書記官研修所養成部入所試験問題(平成18年7月施行)

第1部
憲法
1問 ある法令が最高裁判所の判決により違憲であると判断された場合,その法令の効力はどうなるかについて論ぜよ。(50点)

 他人の名誉を毀損する内容の表現行為が行われた場合に生じる憲法上の問題点について論ぜよ。(50点)

民法
1問
Aは,Bに対し,甲土地を売却する旨を約し,Cは,その売買代金債務を連帯保証した。その後,Aは,所有権移転登記をしないまま,Dに対して,上記売買代金債権を譲渡し,その旨をBに確定日付のある証書によって通知した。
BD間,CD間の法律関係について説明せよ。(50点) 

問 Aは所有者であるBから土地を購入し,代金を支払ったが,登記名義はBのままである。この場合に考えられるAのBに対する登記請求権について説明せよ。(50点)

刑法
1問
次の各場合における甲の罪責について論ぜよ(各場合は独立したものとする)。
(1) 甲が,自己の所有する建物をAにいったん売却して代金を受領した後,Aへの所有権移転登記が未了の間に,Bに同建物をより高値で売却し,Bへの所有権移転登記をした場合
(2) 甲が,建物を購入する資金としてAから預かっていた現金を,自己の借金の返済のために費消した場合
(50点)


構成要件該当性と違法性の関係について述べた上,恐喝罪(刑法249条1項)の構成要件該当性が認められるのに,違法性が否定される場合について論ぜよ。(50点)

民事訴訟法
1問
Xは,Yを被告として,「XはYに対し200万円を弁済期平成18年6月30日と定めて貸し付けた。その弁済期が到来した。」と主張し,貸金200万円の返還を請求する訴えを提起した。Yは,上記主張が記載された訴状の送達を受けて,第1回口頭弁論期日前に,「Xから200万円を受け取ったことは認めるが,借りたのではなく,もらったものである。」との記載のある答弁書を提出した。
この訴えについて,次の各小問に答えよ(各小問は独立した問いとする)。
(1) 第1回口頭弁論期日にXは出席したがYが欠席した場合,裁判所は,同期日において,どのような審理を行うべきか。
(2) 証拠調べの結果によっても,YがXから受け取った200万円が,借りたのかもらったのか,どちらとも心証を形成することができなかった場合,裁判所は,どのような判決をすべきか。
(50点)

2問 確認の訴えについて説明せよ(50点)

刑事訴訟法
1問 被告人甲に対する器物損壊被告事件において,検察官が,被害者が作成した告訴状(甲から自己の骨とう品を壊される被害にあったので甲の処罰を求める旨が記載されている。)の取調べを請求したところ,身に覚えがないとして無罪を主張する被告人は,証拠とすることに同意しない。
 裁判所がこの告訴状を採用することの可否について,次の各場合に分けて論ぜよ(各場合は独立したものとする。)。
(1) 立証趣旨が「告訴があった事実」の場合
(2) 立証趣旨が「器物損壊の被害にあった事実」の場合

(50点)

2問 刑事訴訟法312条1項及び337条1号との関連において,公訴事実の同一性の意義及び機能について論ぜよ。(50点)

第2部
憲法

1問 「内閣から独立して行政権を行使する委員会等の組織(公正取引委員会等)を設置する法律は憲法65条に違反する。」という見解について論評せよ。(50点)

2問 選挙権の意義を述べた上,選挙に関する基本原則について論ぜよ。(50点)

民法

1問
 X所有の土地(以下「本件土地」という。)について,Xが全く知らないうちに無権利者A名義の所有権移転登記がされていたところ,Yは,この登記に基づき,Aが本件土地の所有権を有するものと過失なく信じて,Aから同土地を購入し,その引渡しと所有権移転登記を受けた上,建物を建てて居住していた。この事案に関し,XがYに対し本件土地の明渡しを請求した場合,Yはこれを拒むことができるかについて論ぜよ。(50点)


2問 Aは,家電の販売店Bとの間で,新品のパソコン1台を買うとの合意をした。この売買契約におけるパソコンの所有権の移転時期について,@Aが店頭でパソコンを受け取って持ち帰る場合,ABがパソコンをAの自宅まで届ける約束の場合に分けて論ぜよ。(50点)

刑法

1問
 甲は,乙が経営する飲食店で飲食した後,その代金を支払わずに逃走した。次の各場合における甲の罪責について論ぜよ(各場合は独立したものとする。刑法130条の罪は考慮しなくてよい。)。
(1) 甲が,当初から代金を支払わずに逃走するつもりであった場合
(2) 甲が,飲食後に所持金がないことに気づき,代金を支払わずに逃走しようと考え,乙に対し,「トイレの場所はどこですか。」と尋ね,店内にあるトイレに行くように見せかけて席を立ち,そのまま店外に出て逃走した場合
(50点)

2問 
 緊急避難の成立要件について,正当防衛の場合と比較しながら論ぜよ。(50点)

CP
憲法

1問 司法権に対する民主的統制について論ぜよ。(50点)

2問 個人が事業を始めるにあたって都道府県知事の許可を要するとした場合の憲法上の問題点を論ぜよ。(50点)

民法

1問
 Aは,Bに対し,A所有の甲土地を1000万円で売却してほしいと依頼し,そのための代理権を授与したが,Bは,Cに対し,Aの代理人として,A所有の乙土地を1000万円で売却してしまった。Cは,売買契約の際,Bに乙土地を売却する権限があるものと信じ,代金1000万円をBに支払ったが,乙土地の引渡し及び所有権移転登記を受けていない。
 この場合のAC間及びBC間の法律関係について説明せよ。 
(50点)


2問 債権者が,債務者の履行遅滞により損害を被った場合に,債務者に対し損害賠償を請求するための要件について説明せよ。(50点)

刑法

1問
 甲は,心中する意思があるかのように装って乙に心中を持ちかけた上,甲が追死するものと誤信して了解した乙に対し毒物を飲ませ,乙を死亡させた。
 甲の刑事責任について論ぜよ。
(50点)

2問 
 刑法43条ただし書の意義とその根拠について論ぜよ。(50点)


民事訴訟法及び民事訴訟規則

1問
 Xは,Yを相手に,「私はYに対しA画伯作の絵画(以下「本件絵画」という。)を200万円で売ったが,Yは代金を支払わない。」と主張して,代金200万円の支払を求める訴えを提起した。
 Yは,第1回口頭弁論期日において,「私は本件絵画を買ったのではなく預かっただけである。」と答弁した。
 この事案に関し,XとYは,それぞれどの事実を証明すべきかについて論ぜよ。
(50点)

2問 
 裁判上の自白について説明せよ。

刑事訴訟法及び刑事訴訟規則

1問
 甲は,「平成18年2月1日A所有の金品を窃取した」旨の窃盗の事実で逮捕された。
 以下の各小問に答えよ(各小問は独立したものとする。)。
1 甲について,「平成18年2月1日Aに暴行を加えてその反抗を抑圧し,A所有の金品を強取した」旨の強盗の事実で勾留請求がなされた場合,その勾留請求は認められるか(請求の時間的制約は守られているものとする。)。
2 甲は,上記窃盗の事実で勾留された後,同事実及び「同日Aに暴行を加えた」旨の暴行の事実で公訴提起された(暴行の事実については勾留されていない)。
その後,甲から保釈の請求があった場合,甲に暴行の事実について罪証を隠滅するおそれがあるとしてその請求を却下することができるか。(50点)

2問 
 被告人にとって不利益な事実の承認を内容とする被告人の供述調書の証明力について論ぜよ。(50点)


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